信頼関係が崩れ転院|骨吸収によるリカバリー治療2

インプラントリカバリー治療(再建治療)のケース2

患者さんの症状
1、2ピースタイプのインプラントがグラグラしている。
(骨が痩せてきている=骨吸収)
2、前歯部なので、見た目も気になる
3、前歯で噛めない
4、前医院でメンテナンスの説明も受けておらず、ケアが重要と思っていなかった。

治療ポイント
他医院でインプラント治療を行い、治療を行った医院と患者さんの信頼関係が崩壊。

その後、治療を行う歯科医院を探していたが、この状況からのリカバリー治療は難易度が高い為、どこに行っても受け入れてもらえない状況で悩みを抱えてのご来院。
お悩みの状況をネットで検索する日々が続き、調べれば調べるほど分からず、色々な内容が目に飛び込みすぎて、更に悩みが増えての悪循環。

今、こうした患者さんがとても増えています。

プラークコントロールで感染の進行を遅くすることができますが、いずれ残ったインプラントがダメになることや、他の歯への影響も考えると早めに治療しなくてはなりません。
インプラント周囲炎や骨吸収を完全に防ぐのであれば、インプラント体(フィクスチャー)の抜去しかありません。
インプラント治療の場合、埋入自体はリカバリー治療(再治療)に比べると、比較的簡単なのですが、再治療(リカバリー治療)には様々な経験とインプラント製品や骨造成などの知識と技術、歯科医の根気と熱意が必要なのです。

抜去を行うことの出来ない(やったことが無い)歯科医院もありますので、歯科選びには慎重な判断が必要なのです。この場合の治療(対処方法)をきちんと先生が理解しているかどうかも重要なのです。
このように、前歯部など見た目(審美性)にも高度な治療技術が必要なケースは、修復治療にも高度な技術が必要になります。
もちろん患者さんに使用するインプラントメーカーの種類やサイズ、人工骨などの種類選択もとても重要で、骨吸収を起こしている箇所には増骨(GBR)が必要ですが、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)を起こしている箇所の感染箇所を取り除かなければいけません。

下記の写真の◯で囲っている部分の黒い影は、骨が無いことを表しています。
◯上部は上顎洞との境目まで黒い影がありますので、このままではインプラントを長く維持するのは難しい状況です。
in-start01リカバリー治療後
上記の骨吸収の状態から骨造成を行い骨量を増やしました。
インプラント治療が行える状態の骨量が出来てから埋入を行います。

この患者さんの場合はインプラントの歯周病(インプラント周囲炎)で、上顎洞炎も起きていました。
上下の写真と比較するとお分かりになると思いますが、黒い影だったところが術後は白くなり、しっかりと骨が出来てきます。in-start02
港区高村歯科医院では今までに様々な失敗症例のやりなおし手術を行なってきました。
それぞれの患者さんの口腔内の状況に合わせた治療法を施しますので、どの患者さんも同じ方法でという訳にはいきません。過去の様々な治療経験に基づき再建する方法を常に考えます。
患者さんの口腔内の骨が極端に少ない場合などは事前に骨造成術を行いインプラント埋入が可能な状態にしてからの治療となる場合もございます。
患者さんご自身がお悩みを抱え、心配しすぎて、本来早く治療を行わなければいけなかったのにもかかわらず、治療開始が遅くなる方も多くお見かけしてきました。
複数本インプラントが入っている方などは、歯周病などの感染の進行度も極めて早いので、残ったインプラント体や天然歯への影響も最小限にするには治療開始を早くすることが望ましいです。