インプラント治療の流れ

インプラント治療には多くのメリットがありますが、歯科治療を行う診療科目によっての見解の違いや、インターネット上で間違った情報を拾ってしまう場合があります。インプラント治療を成功させるには、ご自身の状況に合った正しい情報を得ることが大事です。
例えば、歯が5本欠損しているからと言って、必ず5本インプラント埋入が必要か?といった状況では必要ない場合もあるからです。

患者さんがすぐにインプラントを希望していても、抜歯や骨造成が必要な場合があったり、歯周病治療が必要な場合があったり、すぐに行えない場合もあります。決してご自身だけで判断せず、インプラント治療を行う前に、しっかりと診断を行い、ご自身でもスケジュールを立てるのが望ましいです。

■初診時

・カウンセリング(患者様のお話をじっくり、丁寧にお聞きします)
・レントゲン撮影
・口腔内診査 (プラーク、唾液を検査し歯周病菌などを調べて患者様の状態を把握し、噛み合わせ診断を行います)
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・インプ ラント埋入本数、部位のご説明
・インプ ラント治療に関する注意点のご説明
・インプ ラント治療費のご説明
当院では、インフォームドコンセント(説明と同意)を重要視しておりますので、じっくりご説明いたします。
CT撮影が必要な場合は、当院内で撮影をします。
必要に応じて血圧測定、歯周組織、残存歯の検査等を含む精密検査を行います。
初診時にインプ ラント治療をご希望された場合は、歯型を取り、手術のご予約をとります。
ご説明を元に、ご検討される場合は、この時点で一旦終了になります。

■手術時

・血圧、脈拍、脈波、血中酸素濃度を測定します。
・局所麻酔を行います。必要に応じて笑気鎮静法や静脈内鎮静法などを用い、連続血圧及び血中酸素濃度のモニタリング下で専用手術室内にてインプラントの埋入手術を行います。
当センターの静脈内鎮静を担当する麻酔科医は歯学博士でもあり
日本歯科麻酔学会認定医の山嵜博義先生が担当します。
・手術時間は埋込本数に応じて20分~120分程度です。

■手術後

・消毒は基本的に手術の翌日、1週間後より週1回行います。
約1ヶ月経過後からは月1度の経過観察にご来院されるのが望ましいです。
・待機期間は一般的に下のアゴで約3ヶ月、上のアゴで4~6ヶ月です。
その後、上部構造(クラウン)を作成し、完成です。

■メンテナンス

インプラントやご自身の天然歯を可能な限り長持ちさせていただきたいと思います。
インプラントの
長期維持にはメンテナンスが重要となります。天然歯と共存する口腔内は清潔に保たなければいけません。メンテナンスは主に歯のクリーニング(PMTC)をします。
クリーニングをすることにより、歯周病になるリスクは大幅に下がります。
インプ ラントは虫歯には絶対になりませんので、歯周病にならなければ、安心、長持ちします。
治療を担当した歯科医師(Dr.高村剛)と
優秀な歯科衛生士がメンテナンスを行うのも当センターの強みです。

他の歯科医院で治療を行なった方で、インプラントがダメになってから当センターにご相談にお越しになる方が多いですが、上手にメンテナンスを行えていなかった方が意外と多いです。ダメになった時にしか先生に診てもらえなかったというケースや、インプラントのケア経験不足の歯科衛生士だけでメンテナンスを行なっていたケースなど、歯科衛生士も重要なポイントなのです。


インプラント治療後にCTやMRI撮影が撮れない?

当院でインプラント治療を希望される患者さんや、インプラントを既に治療されている患者さんから、「インプラントを入れたら、CTの撮影はできないんでしょう?」、「MRIを撮影したいのですが、インプラントをとらなくちゃならないって聞いたのですが・・・?」というような内容のお問い合わせをいただくことがあります。 結果から言うと問題はございません。 その理由を話す前にCTやMRIについて説明しましょう。

CT(Computed Tomography)は、人体の周囲から細いX線を照射して、人体を透過した投影データを集め、コンピュータでそのデータ画像を再構成させて見る、レントゲンの一種です。
一方のMRI(Magnetic Resonance Imaging)は、「磁気共鳴画像診断」とも呼ばれ、人体に磁気を当てて画像を診断します。すると、体内の水素原子核が磁気に共鳴して微弱な電波を発生します。その電波を受信して画像を作成するのです。

さて、CTを撮影する際には、金属を外すように言われます。これはアーチファクトと呼ばれる乱反射像が写ることを防ぐためです。アーチファクト(Artifact)とは「ノイズ、エラー」というような意味に使われる言葉ですが、金属にX線を当ててレントゲン撮影を行うと、光が乱反射をしたような像が写ります。このアーチファクトのために、肝心の体内の様子が写らないことがあるので、金属を外すのです。 ところが、金属すべてにアーチファクトが起こるわけではありません。現在使用されている、デンタルインプラントのほとんどはチタンでできています。チタンはX線吸収が非常に少なく、CTを撮影してもほとんどアーチファクトが発生しません。実際、インプラントを埋入した方の術後経過を診る為にCTを撮影しますが、歯に被せた金属製のクラウンからは強いアーチファクトが発生していますが、インプラント体からは、ほとんど発生していません。
また、MRIの場合は、磁気を当てるため、磁気に反応する金属があってはなりませんが、チタンは磁気に反応しない非磁性金属であるので、撮影することができます。
しかしながら、一部インプラントの上部に磁石で着脱する義歯を装着する方法のものの場合は除去する必要があります。

では、CTやMRIの撮影ができないのは、どういう場合でしょうか。

CTの場合
(1)埋め込み式ペースメーカーや除細動器を装着している方は、連続してX線が照射されると、誤作動を起こす可能性があるからできません。

MRIの場合
(1)埋め込み式ペースメーカーや除細動器、人工耳小骨や脳動脈クリップなど、磁気や電気的な刺激で作動する物が体内に埋入されている場合は撮影できません。

(2)人工関節や磁力で装着している義眼なども、磁気に反応して振動し、損傷を起こすことがあるため撮影できない様です。

つまり、今後CTやMRIを撮影する際、インプラントに関しては心配しなくても大丈夫です。 むしろ保険診療で使用されるいわゆる銀歯の方が問題でしょう

もしもご不明なことがありましたら、お気軽にご相談ください。